あさイチ|DV特集まとめ|加害者の声から考える対策

1月29日放送のあさイチ特集は「DV 加害者の声から考える対策」。今、女性の4人に1人がDVの被害経験があるといいます。

番組ではDVの加害者はどうしてDVに走るのか。その背景にはどんな価値観や考え方があるのか。そしてDVを止めるにはどうしたらいいのか。

被害者がDVから抜け出し、防いでいくための対策が紹介されました。

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DV(ドメスティック・バイオレンス)とは

DVはドメスティック・バイオレンスの略で、配偶者など親しい間で起こる暴力のことをいいます。

内閣府の調査によると、配偶者の夫から暴力を受けた被害経験がある女性は4人に1人にのぼっています。

また相談件数も年々増加し、平成27年のDVの相談件数は過去最高の6万3141件に。

その内容は直接的な攻撃ばかりではないようです。

身体的な暴力

  • 平手でうつ
  • 足でける
  • 物をなげつける
  • 刃物など凶器をからだにつきつける など

精神的な暴力

  • 大声でどなる
  • 無視
  • 人前でバカにしたり命令口調でものをいう
  • 人づき合いを制限する
  • 電話や手帳を細かくチェックする
  • 生活費を渡さない
  • 仕事を辞めさせる など

性的な暴力

  • セックスの強要
  • 避妊に協力しない など

 

DV加害者向け更生プログラム

被害者の支援だけをしていても「DVの根本的な解決にはならないのではないか」という問題意識から、加害者向けの更生プログラムを行う民間団体なども増えてきたといいます。

DV加害者向け更生プログラム 運営団体 事務局長の吉祥さんによると、

「一般的にみなさんが抱いている加害者のイメージと全く違ったりする。ここに来る男性は一見とても穏やかで、腰が低くて、配慮が行き届いて、それが外の顔ですよね。家の顔と全く違う姿を人には見せているので周りの人には全く気づかれない。」といいます。

加害者は何を考えているのか

加害者たちの声に耳を傾けてみると、みな一見物静かで暴力的な雰囲気が全くないこと。そして驚くほど”暴力”を振るっていた自覚がないとのこと。

しかし、DV加害者の男性から話を聞くと・・・

DV加害者の男性の声

「生活費を全部稼いできている以上、自分がこの家の中でいちばん偉いと思っていた」

「夫婦は一心同体でなければいけないと思っていた」

「(妻の家事の至らなさを)自分が”指導”しなくてはいけないと思っていた」

など、更生プログラムを通して、加害者がとらわれている男女観や結婚観が浮かび上がってきました。

DVケースその1

Aさん(40代)自営業。妻と2人の子供とは別居中。

Aさんは子供のころからまじめで控えめなタイプ。妻への暴力がエスカレートしていったのは結婚後でした。

殴る蹴るはしょっちゅうで、その回数も徐々に増えていったといいます。

Aさんは当時暴力をふるうことを、

「自分が一番偉いから妻はそれに従うべきだと思っていた。従わない妻が悪い。養ってやっている。僕がやっていることは愛のムチなので暴力にあてはまらないと思っていた。相手が思い通りにならないことが怒りにつながった。理由が何だったのか思い出せない。支配しようと思ったことが原因だったのではないか。」といいます。

結婚から13年目のある日、首を絞めて気絶させてしまい、このまま一緒にいると殺してしまうと思い自分から家を出たそうです。

当時は自分が悪いことをしているというよりも、そういうことをさせる相手が悪いと思っていたとのこと。

Aさんは当時を振り返り、「気づくのが遅かった。DVは何も残らない。DVは廃墟みたいなもの。」といいます。

加害者がもつ特徴的な考え方

20年近く加害者の更生に取り組んでいる立命館大学教授の中村さんによると、加害者がもつ考え方には3つの特徴があるそうです。

所有意識

この家は俺のものだ。
そこにいる人たちは従うべきだ。
妻や子供は俺のものだ。

特権意識

そこにいる妻や子供には何をしてもいい。
俺は稼いでいるという意識が強い。
養っているという意識が強い。

被害者意識

俺の暴力は正義だ。正しい暴力。
家族の中では俺様なので立てなければいけない。
立てないお前らが悪い。被害に転じていく意識。

力による支配

中村さんは、DVを「力による支配」と定義づけているそうです。

「身体的暴力だけではなく、心理的、精神的暴力。こういう関係を通じて相手を操作する。思うようにする。意のままにするという要素がとても強いので、統制する、操作する、コントロールするという言い方でDVの特徴をとらえている」と中村さん。

若い人にも言えることで、デートバイオレンスと言って恋人同士も家族ではないけれども、よく似たことが起こるといいます。

DV被害にくわしい弁護士の斉藤さんによると、

「力による支配が顕著かなと思う。支配をしようとする人は暴力はあくまで手段で、パートナーを支配しよう、自分の意のままに動かそうという道具のために使っているので、身体的暴力を伴わないような、でも家族を支配するパターンも多い。

なぜそうなるかというと、家族関係を対等な関係ととらえられなくて、上司と部下のような関係でしかとらえられない。
過去を振り返ってもそういう環境にいた方が多いという認識なので、決して年配の方だけではなく若い人でもそういう環境で今まで過ごしていると同じようなことが起こる。人間関係を作るとき強さで従わせようということを学習してしまう。」といいます。

ジェンダー意識と言って、男と女の関係が主従関係のようになってしまっている。そういう意識が背景にあると思うと中村さん。

“男らしさ”へのこだわり

男性は一般的にジェンダー意識を持っているので、そういう意識を持つことが悪いのではなくて、背景にある3つの意識(所有意識・特権意識・被害者意識)がうまくいかないときに、男らしさのメンツがつぶされたと強く思ってしまうとのこと。

暴力でもってはねのけようとする、暴力でもって何かを解決しようとする、暴力でもってストレスを発散しようとするそうです。

DVが力による支配という話がありましたが、そういう意識がどのように育まれていったのでしょうか。

DVケースその2

Bさん(40代)職場では管理職。子供2人(高校生・中学生)

妻に精神的な暴力 その心理

前から約束していた友達と会うという妻に対して、家事はすべて終わっているのか問いただし、前からの約束だし帰ってからやると言っても、「俺は行くなと言ってるんじゃない、お前がやるべきことはやってるのか聞いてるんだよ!」と怒鳴るBさん。

結局行くのをあきらめる妻に、「言っておくけど、俺は行くなとは言ってないからな」。

このように、精神的な暴力を続けてきたBさん。

多くの場合、DVの引き金は妻の家事への不満だといいます。

Bさんは、「夫婦として一緒にやっていこうというより、部下のようというか体育会系の部下の後輩のようにしか接していなかった。自分の思い通りになってないと罰を与えないといけないと思っていた。

時間がたって冷静になってくると悪かったなって思う部分もあるし、怒っていながらも冷静な自分がいるところもある。怒りだしたものの、どこかに着地点を作りたいけれど素直に謝れない自分がいて怒り続けている。
いろいろな気持ちが混在していて、そのときの気分によってそれが出る。パートナーはすごい混乱したと思う。」といいます。

結婚から13年。妻は2人の子供と家を出ていったそうです。

置手紙には、
あなたのしていることはDVです。
もう元には戻れません。

と書いてあったそうです。

Bさんは、DV加害者更生プログラムを自分で見つけて通い始めました。

なぜ自分がDVをしてしまうのか見つめなおすうちにわかった原因が、自分の父親との関係でした。

父親から学んだことは、特権意識が一番強くお金を稼いできている人が家の中では中心で、その父親に対して家族はねぎらうもの。気を遣うものだと思っていたといいます。

Bさんは、「そういうものしか見てきていないのでそれを求めてしまっていた。
父親が嫌いだった。何かがきっかけでいつも怒って母親と喧嘩しているのがこわくて、父親を怒らせないよう、どうしようといつもそればっかり考えていた。

僕は父親とは違う人間になりたいとどこかで思っていて、父親とは違う人生を歩んでいるつもりだったが、こうやって振り返ると全く同じことをしていたんだろう。」

2年の別居を経て、現在は同居生活に戻りましたが溝は残っているといいます。

「子供たちに悪影響をすごい与えて、これからどう頑張っていけば子供たちに(DVを)引き継がないでいけるか不安はあります。妻と子供には申し訳なかったとしか思えないし、もう二度としないってことしか言えない。変わり続ける努力はしていきたいと思います。」とBさん。

中村さんによると、加害者の多くは幼い時に被害を受けていて、被害から加害へ連している。しかし多くの場合は反面教師としてなんとかして乗り越えていこうと、健康的な男らしさの努力をする方も多いそうです。

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 被害者である女性は…

DV被害に合う女性はパートナーを代えてもまた繰り返し受けることがあるといいます。

DV被害者が陥りがちな意識

  • 恐怖感
  • 無力感
  • 自責の念

このような被害者観が作られていくこともあるので、加害者がプログラムに入るのと同時に、被害者も自己肯定感を高めていくような取り組みをする必要があると、中村さんは言います。

どうすれば、こうしたDVをなくしていけるのか。ある夫婦の関係をみていきます。

DVケースその3

Cさん(50代女性)再婚・子供なし・同居中。

再婚した夫から10年以上にわたって身体的・精神的DVを受けていたそうです。

「このまま殺されちゃうかも」という恐怖があったというCさん。

自分がいけないからだと無気力になってしまったといいますが、暴力をふるったあとの夫の態度に混乱。Cさんが「許す」と言うまですごく謝って優しくなるといいます。

私の言い方がいけなかったのかな?自分がうまくやれたんじゃないか?と反省したり・・・

自分はどうしたらよいか、Cさんはインターネットで「暴力 優しい」と入力してみたそうです。

そこでDVを初めて知り、「あっうちと同じだ」と思い、どうしたらよいか探すと、暴力をふるう人たちに気づきを教えてくれるプログラムがあると知り、夫が優しくなったときを見計らい「DV加害者更生プログラム」のページを見せて言いました。

あなたが私にしてきたことはDVです。
このプログラムに行ってくれなければ離婚します。

と言ったそうです。

妻に離婚をつきつけられた夫のDさん(40代)は、

「あなたは(DVを)やっていますという印を押されたようなイメージ。普通だったら話し合いとかで成り立つものができないから、暴力とか力で言うことを聞かせる、怖さで言うことを聞かせる。そういうことしかできなかった。
(プログラムに)通えば離婚は回避できるだろうと。離したくない、置いて行かれてしまう、その気持ちが大きかった。」といいます。

Dさんが都内にあるDV加害者更生プログラムに通うようになって7年半。

この日は、外出した日の妻の行動にイライラした夫が、帰宅した妻に言葉と暴力で追い込んでいったケースをもとに、加害者の行動や価値観を話し合っていました。

10年近く加害者プログラムにかかわってきた吉祥さんによると、

「加害者同士で話し合うと大きな効果がある。同じような人たちが集まることで、自分たちの状況、加害者側の気持ちとか価値観の何がおかしかったのか、何がゆがんでいたのかを人の姿を通して知ることができる。二度としない。そのためにはどうしたらよいのかをしっかり自分で考えていく。」といいます。

ここ2年でDさんの暴力はやっと落ち着き、妻のCさんも2年前から同じ民間団体のDV被害者向けプログラムに通っているそうです。

それ以来、夫婦の関係性が徐々に変わってきたといいます。

Cさんは、「自分のことを全然考えられなかったということにも気が付いて、自己肯定感も低かったことにも気づいて、自分に力をつけてDVとかモラハラに早く気が付けるようになって、そういうことを受けないようにしていけば何かあっても越えられるんじゃないか。
実際、暴力は全くなくなったしされる気はしない。行動や言動も変わってきている。私も被害者を卒業できるんじゃないか。」といいます。

Cさんはうまくいったパターンですが、実際に今困っている方は相談できる窓口もあるということでぜひ参考にしてください。

 

DVのことを相談できる窓口

DV相談ナビ

配偶者からの暴力に悩んでいる方で、どこに相談したらいいか分からないと思ったときの相談窓口です。

全国どこからかけても、最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され直接相談できます。

電話:0570-0-55210

配偶者暴力相談支援センター

各都道府県に少なくとも1つは、「配偶者暴力相談支援センター」が設置され、相談できるようになっています。

お住いの地域のどこに「配偶者暴力相談支援センター」があるか、下記のホームページで確認できます。

内閣府男女共同参画局ホームページ
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html

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さいごに

DVは受けた人にしか分からないデリケートな問題のため、誰にも相談できずに悩まれている方も多いのではないでしょうか。

実際に私の姉、親戚、職場の同僚もDV被害を受けていたので、すごく身近で自分にも起こりうる問題だと思いました。

今回番組で紹介されたDV加害者更生プログラムや、DV相談ナビ、配偶者相談支援センターはきっと解決の糸口になると思いますので、今まさにその状況にあるなら、ぜひ一歩を踏み出してほしいと思います。

また、周りでDV被害に悩んでいる女性がいたら、相談する場所があるということを教えてあげてくださいね。

 

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