11月29日放送のあさイチは、2回シリーズの「性ホルモン」2回目。
1回目は「女性ホルモンの減少」がテーマに取り上げられましたが、今回は「男性ホルモンの減少」がテーマです。
11月13日放送の「女性ホルモンの減少」についてはこちら
【あさイチ】性ホルモン特集1まとめ・女性ホルモンの減少|更年期症状や治療法
4月18日放送の「性ホルモンと脳との関係」についてはこち
あさイチ|性ホルモン特集3まとめ・脳との関係|物忘れ・反抗期
「夫が自分に興味を示さなくなったのは、私が太ったから?老けたから?」と悩んでいる方も多いですが、その原因は夫の男性ホルモンが減少しているせいかも!?
番組では、「セックスレスになった」「イライラするようになった」「とにかく家でゴロゴロ」「何事にもやる気がない」などの夫の症状を放置する危険性や、うつ病との違い、男性の更年期症状・治療法などを紹介。
40代・50代男性の心と体に迫った特集は、妻たちのお悩みが解決する一歩になるかもしれません。
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目次
そもそも男性ホルモンとは?
代表的な男性ホルモンのひとつとして「テストステロン」があげられます。
胎児期に母体からテストステロンをたくさん浴びることで男性器ができ、思春期にもたくさん分泌されことでヒゲが生えるなど大人の男性の体へと変化していきます。
男性ホルモンには骨・筋肉・血液・精子をつくる働きや、やる気や判断力を高めたり、自律神経を整える働きがありますが、最近ではメタボ・動脈硬化・高血圧などを予防する働きが注目されているといいます。
女性の体内にもテストステロンがあるといわれ、骨などをつくる働きや精神を安定させる役割を果たしています。
男性ホルモンは社会性ホルモン
男性ホルモンは年齢とともに分泌量が減っていきますが、ストレスを受けると急激に男性ホルモンが減少し、更年期症状が現れやすくなるといいます。
特に40代を過ぎ、職場でのプレッシャーやストレス、家庭での悩み事が増えると要注意!男性ホルモンはストレスなどの精神的要素に左右されやすいため「社会性ホルモン」と呼ばれています。
夫の男性ホルモンが減っているのでは?
番組では、夫の男性ホルモンが減っているのでは?と疑っている女性3人と有働アナが座談会を行いました。
女性の本音を聞き出すため、その様子を別室でこっそりモニタリングしているのは、男性更年期の問題に取り組んで15年の順天堂大学医学部・辻村教授です。
休みの日は寝てばかりの夫
ヤヨイさんの夫(51歳)は、休みの日は寝てばかり。
辻村教授:まったく典型的ですね。40代半ばから疲れが出て眠くなるとか、体力的に落ちているので家での用事ができない、する気にならないというのは男性ホルモン減少のひとつ。
セックスレスの夫
チヅルさんの夫(41歳)は、性欲がめっきり低下。2~3年前からセックスレス
辻村教授:男性ホルモンが落ちると絶対性欲が落ちてきます。
最近メタボの夫
イッコさんの夫(50歳)は、最近メタボに。
辻村教授:おなかが出るというのは典型的ですね。中高年の方のメタボは男性ホルモン低下の症状のひとつ。男性ホルモンが減ると筋肉が減り太りやすい体に。
どの夫が一番男性ホルモンの影響を受けている?
辻村教授によると、何よりも気になったのはヤヨイさんの寝てしまう夫。疲れがかなりきついという感じがするので、男性ホルモンの量が落ちているのはこちらかと思うとのこと。
みなさんの夫は男性ホルモンの減少、大丈夫ですか?
男性ホルモン(テストステロン)の一生
男性ホルモンの95%がテストステロンというもので、テストステロンは何をするかというと・・・
- 骨・筋肉・血液をつくる
- 精子をつくる
- メタボ・動脈硬化・高血圧予防
- やる気・判断力を高める
- 自律神経を整える
特に最近注目されているのが、中年男性あるある病であるメタボ・動脈硬化・高血圧を予防するとのこと。
辻村教授によると、男性ホルモンであるテストステロンが落ちるとメタボになりやすく、メタボから動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病が起こり、やがては狭心症など命にかかわる病気につながっていくということで注目されているそうです。
女性にも男性ホルモンがあるの?
男性に比べると20分の1くらいですが、女性の体内にも生まれたときから男性ホルモンがあるといわれ、骨などをつくる働きや精神を安定させる役割を果たしています。
女性の性欲は男性ホルモンが関係しているといわれ、男性ホルモンが多いと性欲があるとのこと。
女性は閉経とともに女性ホルモンは下がっていきますが、男性ホルモンはあまり下がらないんだとか!
中高年以降に相対的な男性ホルモンの量が増えてきて、逆に中高年以降で女性の性欲は少し高まるといわれています。
男性ホルモンが減ると20以上の症状が!?
男性ホルモンが減ると、頭痛・めまい・ほてり・発汗・不眠・イライラ・パニック・不安・やる気↓・冷えなどの症状が起こりますが、これって前回放送された女性ホルモンの減少で起こる症状と似ていませんか?
【あさイチ】性ホルモン特集1まとめ・女性ホルモンの減少|更年期症状や治療法
男性ホルモンの減少の場合はさらに、メタボ・ひん尿・性欲↓・朝立ち↓・筋力↓も加わります。
男性ホルモンは年齢とともに低下しますがそれだけではありません。
仕事のプレッシャー、ストレスが非常に強いと男性ホルモンが落ちてしまい、たとえば職場が変わったりとかそういうストレスを受けると一気に男性ホルモンが下がって症状が出やすくなります。
男性ホルモンの減少に悩む52歳の男性に密着
番組では、4年ほど前から精神的に不安定になってきた中村さん(52歳)に密着。現在単身赴任中で大学講師をしているそうです。
中村さんによると、2014年くらいからやる気が下がってきて、仕事は好きなはずなのに「なんでだろう?」と、その頃はもんもんとした気持ちだったといいます。
資料を作るのにも時間が格段にかかるようになり、指が動かない・思考が働かない・やらなければいけないのに時間だけが進んでいる感じだったと中村さん。
さらに性に対する関心が薄くなり、たとえば綺麗な脚の女性がいたら若い時は見ていたが今は全然見向きもしない。興味がなくなってきたといいます。
また、ささいなことでイライラするようにもなったということで2年前にうつ病を疑い心療内科を受診。
しかし、自分の症状もちゃんと説明できて、夜は眠れて、食欲もあるので、うつ病の症状とは違うといわれたんだとか。
そのとき中村さんは、うつ病でないなら不調の原因は何?何科を受診すればいいの?と思いながらも分からなくて我慢を続けていたそうです。
「更年期」と「うつ病」は似た症状?
中村さんもそうでしたが「更年期」と「うつ病」を間違えてしまう、似た症状が出るということで見分け方は女性も同じです。
それは、ほてりや発汗。
辻村教授によると、うつというのは精神面のこと。ほてりや発汗は体の変化。ここで見分けるのも1つの方法だといいます。
ただ、うつになった方は男性ホルモン、テストステロンが次第に落ちてくるので、うつになったことが二次的に体の変化を起こしてくるということもあるので、一概にこれだけで見分けるのが難しいとのこと。
では、こういったときに何科を受信したらよいのでしょう?
男性更年期は何科を受診すればいいの?
男性ホルモンの減少なのか、診療内科に行ったほうがいいのか悩んだときは、全国に6500箇所ある「泌尿器科」を受診しましょう。
男性更年期障害の診察・治療は、泌尿器科や男性更年期専門外来とのこと。
中村さんは自宅近くの泌尿器科を受診し、「男性の更年期障害かどうか診てほしい」と伝えると、チェックシートが渡されました。
全国の医療機関で広く使われている「男性更年期障害のチェックリスト」の質問は全部で17項目。それぞれ5段階評価で採点します。
男性更年期障害のチェックリスト
- 総合的に調子が思わしくない
- 関節や筋肉に痛みがある
- 突然汗が出るなど、ひどい発汗がある
- 寝つきが悪いなど、睡眠に悩みがある
- よく眠くなる
- イライラする
- 神経質になった
- 不安感がある
- 疲れやすくなった
- 筋力が低下した
- 憂うつな気分になる
- 「人生のピークはすぎた」と感じる
- 燃え尽きたと感じる
- ヒゲの伸びが遅くなった
- 性的能力が衰えた
- 朝立ちの回数が減った
- 性欲が低下した
- 症状がない場合は1点
- 症状が軽い場合は2点
- 症状がそれなりにある場合は3点
- 症状が重い場合は4点
- 症状が非常に重い場合は5点
合計点数が50点以上あれば「重度」になり、泌尿器科の受診が勧められます。
あくまでも目安ですので、気になる症状があれば泌尿器科に相談してください。
なお、男性更年期障害の診療を行っていない泌尿器科もありますので、事前にホームページなどで確認することをおすすめします。
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男性更年期障害の治療法
中村さんがチェックリストの質問に答えた結果は、特に心理面と性機能面で重度という結果になりました。
男性更年期障害に詳しい泌尿器科医の熊本医師によると、原因が更年期によるものかどうかを判断するには血液検査も必要だといいます。
中村さんの血液中の男性ホルモンの濃度を測定し10日後に血液検査の結果を聞きに行くと、フリーテストステロンの値が7.1という結果に。
70代男性の平均値が8.5ということなので、52歳の中村さんはかなり低めということになります。
フリーテストステロンは男性ホルモンの1つ。特に骨や筋肉を作るのに欠かせません。
医師は中村さんに治療方法について説明。
注射での「男性ホルモンの補充療法」と「漢方薬」があることを伝えました。
いきなり男性ホルモンを注射するのはためらった中村さんは漢方薬を試してみることに。
まずは3週間、漢方薬などを服用して様子を見ることになりました。
男性ホルモン補充療法による治療
症状が重い場合は、テストステロンの注射を行い男性ホルモンを補充します。
- 治療期間:目安は1年。月に1~2回で3か月ごとに効果があるかどうかをみる
- 対象:原則40歳以上の男性
- 副作用:多血症を引き起こす可能性があるため定期的に血液検査を行う必要がある。また、前立腺疾患が悪化する可能性もあるので前立腺がんの既往歴や疑いがある人、重度の肝機能障害や腎機能障害がある人などは、ホルモン補充療法は受けられません。
漢方薬での治療
男性の更年期によく効くといわれているものが何種類かあるそうで、中村さんに処方されたのは、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)という漢方薬です。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)の詳しい説明はこちら(漢方セラピー)がわかりやすいです。
中村さんは1日3回漢方薬を服用し、食事や運動にも気を付けました。
先生おすすめ食材「とろろ」に含まれるジオスゲニンは男性ホルモンを増やす効果があるということで、とろろそばなどで積極的に摂り、1日3キロのウォーキングも始めたそうです。
治療開始から3週間後に泌尿器科を受診した中村さん。男性更年期障害のチェックリストを改めてやると、精神面も身体面も大きく改善!
だいぶ点数が改善され、中村さんが感じていたイライラ感、焦りなどは「今はまったくない」といいます。
前向きにやっていこうという気持ちになったという中村さんの表情は3週間前と全然違うように見えました。
辻村教授によると、中村さんはテストステロンの減少という原因がわかったことが一番だといいます。一般的には睡眠・運動・食事が大事ですが中村さんはそちらも積極的に改善されていたので総合的に良い方向に向かったのでしょう。
漢方薬も効いたと思いますが、辻本教授がいうように原因がわったことが一番というのは確かだと思いました。不調の原因がわからずモヤモヤすることも症状悪化につながりそうですからね。
気になる方はチェックリストを試して、点数に応じて受診する勇気も必要です。
市販薬はあるの?
辻村教授によると、男性ホルモン(テストステロン)を皮膚から吸収させて補充することができる「男性ホルモン軟膏」が薬局などで売られているとのこと。
陰のうに毎日塗ることで皮膚から浸透して男性ホルモンが増えるということですが、実際増えたかどうか自分で判断は難しいので医療機関でのチェックが必要です。
男性ホルモンアップ大作戦!
日常生活では、食事・睡眠・運動が大切です。
男性ホルモンアップ↑食材
おすすめ食材は、
- とろろ
- たまねぎ
- かき
ジオスゲニンを含む「とろろ」、アリシンを含む「たまねぎ」「にんにく」、亜鉛を含む「かき」「レバー」などは、テストステロンを増やす効果があるとされています。
普段の食事に積極的に取り入れていきたいですね。
男性ホルモンアップ↑スポーツ
男性ホルモンをアップするのにおすすめのスポーツは、チームプレーのスポーツです。
チームの中での競争心がテストステロンを上げる1つの理由にもなるとのこと。
それから協調性。テストステロンは社会性ホルモンともいわれており、周りの方とのやり取りがうまく進んでいくということもあるといいます。
家族ができること
家族があえてほめるのも大切。ほめてもらえると人間は誰でも達成感や満足感が得られます。
ほめると気持ちが高まってテストステロンを上げるということなので、ぜひ実践してみてください。
認めたくない夫には・・・
自分が更年期だと認めたくない男性も多いと思いますが、そんなときはチェックシートを活用しましょう。
また、「男ならガンバレ」「なまけないで」など否定的な言葉はかけないように!とのことです。
男性は目に見える形だと理解しやすいということなので、今日番組を見ていない夫にはチェックシートをやってもらいましょう。
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まとめ
前回の特集「女性ホルモンの減少」も学ぶことが多かったですが、自分の一番身近な存在・夫の男性ホルモンについて考えたことは今までなかったように感じます。
更年期は女性だけのものではなかったんですね!少なからずとも当てはまることはあったので・・・今日仕事から帰った夫にチェックシートをやってもらおうと思いました
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