9月11日のあさイチでは、40代からの脳梗塞対策について特集されました。
脳梗塞は寝たきりの原因第1位で高齢者に多い病気のように思いますが、脳梗塞にならないようにするためには40代からのケアが重要だといいます。
また、女性の場合は“更年期”に起こるある体の変化が脳梗塞につながるんだとか。
番組では50歳で脳梗塞を発症した磯野貴理子さんをゲストにむかえ、脳の専門医が脳梗塞の前兆を見逃さないポイントや予防法、リスクが減る食事法などを教えてくれました。
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目次
脳梗塞になるかどうかは40代の過ごし方が重要
ある日突然襲いかかる「脳梗塞」。脳の血管が詰まることで回りの脳細胞が死んでしまう病気ですが、高齢者に多いイメージが強いせいか「まだ若いから大丈夫」と安易に考えていませんか?
脳梗塞になるかどうかは40代からの過ごし方が重要で、特に女性の場合は更年期に起こるある体の変化が脳梗塞と関わっているといいます。
40代で脳梗塞を経験した女性
40代で脳梗塞を経験した斉藤さんは今年6月に脳梗塞を発症。「脳梗塞ってまさかです。本当にまさかです。」という斉藤さんが脳梗塞を発症した日の様子を教えてくれました。
朝、いつものように子供の弁当を作ろうと冷蔵庫を開けるが、メニューが決められなくて冷蔵庫を開けたまま15分立ちつくした。何を作ろうか考えてもそこから思考が進まない。なんとか弁当を作り終えてパート先に向かう。
パート先で電話応対しているとき、突然ろれつが回らなくなる。言いたいことが頭には浮かぶけど言葉が出てこない。いつもより話しづらい。口が突っ張る感じ。口元に強い違和感。
昼休みに症状は強くなり、早退し病院へ。MRI検査をすると脳の血管の一部が詰まっておりその場で即入院。薬による治療で命をとりとめたそうです。
体に起こったある変化
斉藤さんは5年前、やる気が起きなくて家事が大変になり、常に疲れており疲れが抜けない状態に。このとき体にある変化が起こります。
健康診断の結果、高血圧と診断されたのです。最高115だったのが突然144に急上昇。斉藤さんの最高血圧は毎年高い値が続き、気をつけなきゃいけないレベルなんだろうな、痩せたら治るだろうみたいな感じでいたら、今年血圧が170を記録し精密検査を受けるよう警告されたといいます。
生活改善をして何かしらの対策はしなきゃと思い出した10日後に脳梗塞を発症。
脳梗塞患者数は70代、80代の高齢者が多いほか、実は40代、50代から患者が増えてきますが、特に女性の40代、50代は更年期にあたり、更年期の体の変化「高血圧」が脳梗塞につながっていたのです。
更年期高血圧で脳梗塞になる理由
なぜ更年期の高血圧で脳梗塞につながったのでしょう?
女性の血管は、女性ホルモンの一種「エストロゲン」によって血管のしなやかさが保たれていますが、更年期になるとエストロゲンが減少しこれまで守られていた血管のしなやかさが失われ固くなります。
脳梗塞の大きな原因となる動脈硬化が進み、血圧が上昇。脳梗塞のリスクを高めるのです。
脳の専門医 山本晴子さんによると、この血圧が上がったことに気付かない女性も多い。女性は若いときに低血圧の人が多いが更年期くらいから血圧が急上昇する人が多いといいます。
このことから更年期になると血圧を管理することが重要とのこと。病気を未然に防ぐためにも定期的な血圧測定は重要ですね。
斉藤さんは更年期で血圧に目を向けなかったことに後悔し、体の変化にきちんと向き合えばよかったと今は思うといいます。
高血圧有病者数グラフを見てみると、女性は40代、50代からぐいっと上がり更年期高血圧といわれています。
この更年期毛高血圧になりやすい人は、妊娠・出産時に高血圧・尿タンパクが出た人は後でこういう時期に高血圧になりやすいんだとか。
男性も40代、50代から高血圧の方が増えてきますが、男性の場合は30代から多く見られ、山本先生によると、男性は女性ホルモンに守られていないので上がる人は20代、30代から上がってくるといいます。
血圧の測り方
まずは、自分の血圧を知ることから始めましょう。
血圧の目安は最高135~/最低85~を超えていたら病院で検査してくださいとのこと。
血圧測定の目安は朝一番。活動していないときにはかる血圧がベースになります。朝はかれない場合でも、日中5分くらいじっと座って何もしないでゆっくりした後にはかると安定した血圧になるそうです。
「心臓」が原因で脳梗塞になることも
6年前に脳梗塞を発症した松堂さんは、健康に自信があり病院の先生からも「なんであなたが脳梗塞になったかわからない」と言われるほど血圧も正常で成人病もなく、たばこ・酒も摂取しない健康的な生活を送っていたようです。
ある日、買い物をおえて家に帰る途中、左手に持った買い物袋が手から落ち、右手でひろって左手で持とうとしても持てなくて急いで家に帰り自ら救急車を呼んで病院で検査したところ、原因は心臓だったとか。心臓が原因で脳梗塞とはどういうことなのでしょう?
心臓には4つの部屋があり一定のリズムで動いています。
その心房と呼ばれる部屋でけいれんのような症状が発生してしまう心房細動という不整脈の症状が出ると、左心房の血液がよどみはじめ、血栓と呼ばれる血の塊が発生。
その血栓が、血流に乗って脳に運ばれることで脳で血管が詰まり脳梗塞を引き起こしてしまうのです。
磯野さんが発症した脳梗塞の原因も「心臓」だということが後からわかったようですが、心臓がやたらドキドキすることがあったが、ただの動悸かなと思っていたといいます。
こんな症状に要注意
- 息が切れやすい
- 階段や坂を上るのがきつい
- 動悸がする
こういうときは脳梗塞の手前なので注意が必要といいます。
心臓の異常を知るための簡単な方法
ドキドキしたときに脈をとると心臓の異常を知ることができます。
- 手首をそらせて親指側の下に指三本そろえて置く
- 15秒くらいリズムを数える
- その後4倍すると1分の脈拍になる
不整脈の人は1分ずっと当ててリズムよく打っているか確認。心房細動の場合は不整になる。
若い人でも脳梗塞のリスクが高まる○○
若い人でも脳梗塞のリスクが高まることがあるといいますが、それはお酒の飲み過ぎが原因でした。
どうしてお酒によって脳梗塞のリスクが高まるかというと、アルコールを飲むといびきをかいて寝る人がいますが、このとき睡眠時無呼吸になり心臓に負担がかかってしまうからだといいます。
磯野さんも脳梗塞になるまでは適量をはるかに超えた飲酒量だったようですが、脳梗塞を機にピタッと止めたそうです。
ストレスにならないのか?という質問に磯野さんは、飲むのが怖くなって一切飲んでいないとのこと。
お酒をピタッとやめるのはお酒好きの方にとっては苦痛だと思いますが、それ以上に病気の怖さというものを感じました。
山本先生によると飲酒の適量は、
ビール500ml、ワイン2杯弱(1杯120ml)、日本酒1合、焼酎(25度)コップ1/2(100ml)とのこと。
気持ちよく酔ってこの辺でやめる工夫が必要といいます。
脳梗塞の予防法 食事中に○○を飲むだけ?
山本先生も自ら行っているという、その予防法について教えてくれました。
ポイント①『ちょっと早歩き!』
普段の運動に少し負荷をかけるだけで、何もしない人に比べて30%も脳梗塞のリスクを減らせる。
山本先生は仕事中に院内を歩くときも常に早歩き!ちょっと息があがるくらいの運動を10分以上続けるのが良いという研究結果も出ているそうです。
ポイント②『食物繊維を多めに摂る』
食事のときに食物繊維を多めに摂ることでリスクを減らせる。
食物繊維を多めに摂ることが脳梗塞の予防に良いという研究結果が出ており、どうしても野菜不足になりがちなので普段の食事に野菜を1品足すことを注意するとよいそうです。
ポイント③『水分をしっかり摂る』
水分をしっかりとることでリスクを減らせる。
水分が減ると血液がドロドロになって脳梗塞を引き起こすこともあるため、水1~1.5リットルを目安に摂るとよいそうです。
山本先生が食事のたびに飲んでいたのはこれだったんですね!
食事のたびに、たとえば300cc飲むと食事3回で900ccの水分を摂れるのでそんなに難しくない。食事のタイミングで水分補給をしておくことが大事といいます。
手軽に運動強度を上げる運動
- 早歩き
- 手やひざをついて浴室磨き
- 自転車
- 階段を上がる
量は10分くらいで、いつもの動作にプラス10分くらいの運動が目安。1日1時間運動できていると良いそうです。
10分より短くても少しずつ自分のやっている動作を強くしていきましょう。
運動療法はいろんなことに良くて、血圧も下がるし体重もコントロールできるし肥満予防にも効果的だといいます。
食事で気を付けること
食物繊維と水分はたっぷり摂ること。食物繊維を摂ることで血糖値も上がりにくくなるそうです。
磯野さんは脳梗塞を発症してから毎日ボールにいっぱいの野菜を食べているということで、野菜サラダの写真を紹介してくれました。
脳梗塞になるまで野菜は食べていなかったという磯野さんですが、「今は野菜が美味しい。お水もいっぱい飲んで運動もしている。」というそのお顔はお肌もつやつやで表情まで生き生きしているように感じました。
磯野貴理子さんが脳梗塞を発症したときは?
今はすっかり元気になられて健康的な生活を送られている磯野さんですが、脳梗塞を発症したのは突然だったといいます。寝て起きたらなっていたとのこと。
その日はリハーサルでダンスの稽古があったそうですが、汗をかくので稽古着を持っていかなきゃと考えてもどれを持っていったらいいかまとまらなかったとか。そして磯野さんがしゃべると、夫に「ろれつが回ってない」といわれ、すぐに救急車を呼んでくれたそうです。
磯野さんは「一人だったらそのまま寝ていた。」とのことで、旦那さんがそのとき不在だったら…と思うとゾッとしてしまいます。
本人は「救急車なんて大げさ」と思うかもしれませんが、周りの人が気づいて素早く対処することで救われる命があると肝に銘じておきたいですね。
脳梗塞の最新治療法「血管内治療」
実際に脳梗塞になると、時間がたてばたつほど症状は広がり後遺症が残る可能性も大きくなるため、すぐ救急車を呼ぶなどいち早く病院に行くことが大事です。
発症から4.5時間以内であればこんなこともできる!として紹介されたのが、「t-PA」という点滴を使った治療法。
血栓が詰まっているのが溶けて血流が回復するというこの治療法、発症から4.5時間以内なら有効とされているようです。
さらに今注目の最新治療法「血管内治療」は8時間以内まで有効。血管内に管を通して直接血栓を取りだす治療法で、効果が認められ有効な治療法として注目を集めているそうです。
この4.5時間、8時間という目安は、最後に元気だった時間から数えるため寝ている間に発症した場合の判断が難しいのですが、山本先生によると、この問題を解決すべく全世界でMRI画像で対象を絞り込めないかという臨床試験をしているようで、将来的にこの判断から一人でも多く命が救われることを願います。
脳梗塞のおもな症状
- 片側のマヒ
- 視野が半分欠ける
- ろれつが回らない
- ふらついて歩けないなど
ポイントは、症状が「片側」ということ。この場合、脳梗塞をすぐ疑う必要があります。
私、脳梗塞?と思ったら「FAST」でチェック
合言葉は「FAST」。ひとつでも当てはまったら、すぐに救急車を呼んで治療を受けてください。
Face(フェイス):口を横につっぱったときに顔の片側が下がってくる
Arm(アーム):肩の高さまで両腕を上げる。片側が下がってしまう、同じ高さにあげられない。
Speech(スピーチ):ろれつがまわらない
Time(タイム):1つ目は時間が重要なのでちょっとでも早く病院に行く。2つ目は発症した時間を記録、病院に伝える。
救急車を呼んだときに脳梗塞の可能性があるときちんと伝えられるかが鍵といいます。
時間がすごく大事というのがわかってきたので、どの病院に運べば治療ができるか救急隊は判断しなければいけない。周りの人が症状、時間をはっきり伝えると救急隊が適切な病院を探してくれるので、慌てず正確に伝えましょう。
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まとめ
脳梗塞にならないようにするためには40代からのケアが重要だと改めて気づかされる特集でした。
更年期の女性の方は特に身体の変化に気を付け、早期に対処することで未然に防ぐことができます。
まだ若いから脳梗塞なんて…という方こそ日頃から自分の身体の声に耳を傾けてみましょう。
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