12月4日放送のあさイチ特集は「のどの“老化”」。食事のときにむせるようになった、風邪でもないのに咳き込むなどの症状の多くは、のどの老化が原因かもしれないといいます。
しかも、40代からのどの老化が始まり、のどの筋肉が衰えることで声が低くなったり、ひどくなると命の危険も!?
番組では「のどトレ」「誤嚥性肺炎」「声帯」の専門医を迎え、今話題となっているのどのトレーニング方法や、40代からの誤嚥性肺炎予防法などが紹介されました。
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目次
のどの老化のサイン!実は40代から
番組では、「薬が飲みづらい」「食べ物をむせるようになった」など、のどに違和感がある37歳女性を取材。
何が原因かを知りたいということで、のどの違和感を専門に診察している耳鼻咽喉科の浦長瀬さんのもとへ。
最初にのどの中を内視鏡でチェックしますが病気や異常はありません。
浦長瀬さんによると、40歳前後から飲み込むための筋力が衰え始め、飲み物や食べ物が空気のとおり道である気管へと入ってしまう「誤えん」のリスクにつながると言います。
のどの筋力の衰えが進んで誤えんを繰り返すようになると「誤えん性肺炎」を引き起こす可能性が高まり、さらにこの筋力の低下は徐々に起こるため、自分では気づきにくいといいます。
のどの筋力の衰えを防止するには…
浦長瀬さんによると、のどの筋力の衰えを防止するには「飲み込む動作」を思い出すことが大切だといいます。
胎児のときは羊水を飲んで覚えるそうですが、その飲み込む動作を思い出すトレーニングをすることでのどの筋力の衰えを防止できるとのこと。
衰えてしまってからは遅いというのどの筋力。そもそもどうしたら飲み込むか自体を意識していない人が多いといいます。
ポイントは飲み込んだときにかたくなる部分の筋肉ですが、この飲み込む筋肉のトレーニング法が紹介されました。
飲み込む筋肉のトレーニング法
40代から始めるとより効果が期待できるという飲み込む筋肉のトレーニング法を、ボイストレーナーとして活動する傍ら「のどトレ教室」を開いている玉澤さんが教えてくれました。
玉澤さんの「のどトレ教室」では、高齢者でも1ヵ月続ければ飲み込む力が改善するそうです。
- のどの動きの目安となる「のどぼとけ」の位置を確認
- 指で「のどぼとけ」に軽く触れながら、水を一口ふくむ
- 飲み込んだ瞬間に力を入れてストップ。のどぼとけが上がった状態で力を入れ続ける
→止める時間はまずは3秒、その後5秒、10秒と少しずつ伸ばす - 1日5秒×6回程度行う
※食前にやると飲み込む筋肉が疲労し、かえって誤えんが起きる可能性があるため、食後にやるようにしてください。
また食事中に行うと、食べ物を誤えんしやすいので避けてください。
のどぼとけの位置がわかりづらい女性の場合
首のいちばん下の付け根辺りから徐々に指を上げていくと、1つ目のでっぱりを通り過ぎるとくぼみがあります。
その上にあるもう1つのでっぱりが「のどぼとけ」です。
こののどぼとけに触れながら水を一口飲み込むときに動かすのが「ゴックン筋」。このトレーニングでゴックン筋を鍛えることで飲み込む力が改善していくといいます。
トレーニングの効果
自分が飲み込んだと思っても唾がたまってしまっていた方も、このトレーニングをしっかり行って筋肉を鍛えた結果、唾液がたまらないようになりました。
トレーニングをする前は誤えん性肺炎を引き起こす可能性がありましたが、1ヵ月ほどで改善したとのこと。
浦長瀬さんによると、外来に来られる方はそもそも皆さん飲み込むことを意識したことがないといいます。
人間は一日700回飲み込んでいますが、普通に飲み込んでいるだけではだんだん弱ってくるため、自分で動かすようにすると筋肉も鍛えられるし、自分で動かせるので絶対にむせない飲み込み方ができるとのこと。
普段何気なく飲み込んでいましたが、意識して動かすことが重要なんですね。
気づかずに繰り返す「誤えん性肺炎」
毎年およそ8万人の高齢者が亡くなる「誤えん性肺炎」。
番組では誤えん性肺炎と診断された70代女性を取材。異変が起こったのは2年前で病院を受診するも良くならず、5か所目の病院で誤えん性肺炎と診断されたそうです。
診察した呼吸器内科医の大谷さんによると、高齢者は免疫力が低下するため、微熱や高熱などの症状が出ず肺炎を起こしていることに気づかないケースが多いといいます。
また、誤えん性肺炎の原因となるのは、雑菌を含んだ唾液である場合が多く、寝ている間に誤えんしてしまうとのこと。これを繰り返すうちに重症肺炎になり命を落とす方も多いんだとか。
レントゲンをとっても小さな誤えん性肺炎はわかりづらいといい、先ほどの女性は肺炎の跡が複数みつかり体調を崩していた2年の間に何回も肺炎を繰り返していた可能性があるといいます。
高齢者が2週間以上せきが長引いた場合は、肺炎の可能性が高くなるので注意が必要とのこと。
原因のひとつ「ラクナ梗塞」とは?
誤えん性肺炎の原因のひとつが、40~50代から起き始める「ラクナ梗塞」と呼ばれる小さな脳梗塞だといいます。
日常生活にはほとんど支障はありませんが、「せき反射(むせて異物を出す反応)」をコントロールする脳の部分にできると、気管に異物が入っても、吐き出すことができず誤えんしてしまうといいます。
先ほどの女性もこのラクナ梗塞で、誤えんしていることに気づかなかったのは、せき反射が低下したために起こした脳の病気だったのです。
このようにラクナ梗塞が原因で誤えん性肺炎を起こす人は少なくないようです。
大谷さんが誤えん性肺炎の患者の脳を調べたところ、そのほとんどでラクナ梗塞が見つかったといいます。
大谷さんによると、40歳ぐらいから始まり60代になると約50%の方が脳ドックとかをすると見つかるんだとか!こわいですよね…
非常に細い血管なので全く無症状で、その時点では治療は必要ないとのこと。
ただし、動脈硬化で始まるため高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を予防していただくことが重要だといいます。
【あさイチ40代からの脳梗塞対策】更年期高血圧が原因?食事のとき○○を飲むだけでリスクが減る
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40代からの誤えん性肺炎予防法
大谷さんが、40代から始めたい誤えん性肺炎の予防法を教えてくれました。
せき反射を促す
葉酸をとることで、せき反射を促す物質が体内で作られるといいます。
葉酸とはビタミンB群で脳のドーパミンを生成するのに必要。ドーパミンを介してせき反射が関係しますが、葉酸が不足するとせき反射が落ちて肺炎になりやすくなってしまうとのこと。
大谷さん自身が毎朝飲んでいるというおすすめレシピは、葉酸が豊富な「ブロッコリースーパーストラウト」のスムージー。
番組では、大谷流「誤えん予防スムージー」として作り方を紹介しました。
大谷流「誤えん予防スムージー」
- ブロッコリースーパースプラウト 25g(2分の1パック)
- りんご 1個
- バナナ 1本
- ヨーグルト 180g
- はちみつ 大さじ1
- リンゴ・バナナを一口大に切る
- ①と、ブロッコリースーパースプラウト、ヨーグルト、ハチミツをジューサー(ミキサー)に入れる
- 液体状になれば完成!
※お好みで、季節のフルーツ(みかんなど)を加えてもOK
※葉酸は、うなぎ・レバーなどにも多く含まれますが、加熱すると葉酸の濃度が落ちるし続けづらいため、スムージーをおすすめしていました
口内の雑菌を減らす
歯磨きで口の中を清潔にし、唾液に含まれる雑菌の量を減らせば誤えんをしても肺炎のリスクが下がります。
1日4回(毎食後と就寝前)、1回5分の歯みがきが有効です。
女性の声の変化!原因は女性ホルモン?
番組では、最近声が低くなったとお悩みの42歳女性を取材。
この女性のように、「声がかすれる」「低くなった」「出づらい」といった声のお悩みをもつ40代女性が増えているようです。
音声外来を担当する耳鼻咽喉科医の中村さんによると、「女性ホルモン」の低下により声帯に変化が起きているというのです。
声帯の粘膜の潤いが失われるためカサカサになると、声の「つや」がなくなってしまうとのこと。
さらに、筋力の低下によって声帯を引っ張る力や閉じる力が弱まり高い声が出せなくなったりかすれてしまうようになるといいます。
【あさイチ】性ホルモン特集1まとめ・女性ホルモンの減少|更年期症状や治療法
女性の年代ごとの声の高さの平均
女性の声の高さを年代ごとにグラフにすると、徐々に下がっているのが分かります。
20代の平均はおよそ226ヘルツですが、40代になるとおよそ202ヘルツにまで下がります・・・。
中村さんによると、声帯は年齢に打ち勝つのが難しい場所で、女性ホルモンを投与しても20代の声には戻らないといいますが、番組では声を若返らせたいという人のために、声帯を閉じる筋肉を鍛えるためのイスを使った体操を紹介してくれました。
声を若返らせるためのトレーニング方法
- イスに姿勢よく座る
- 座面をしっかり握る
- 座面を持ち上げるように腕に力を入れ、同時に「んっ」といきんで短く声を出す
- 10回1セット、1日5~10セット
歌うこともおすすめ!
中村さんによると、日頃から歌を歌うことがおすすめだそうです。
スポーツのトレーニングと一緒で軽い負荷から始めるという意味で、低い音から始めると良いとのこと。
鼻歌程度ではなくしっかり歌うことをおすすめされていました。
声帯の天敵
声帯にとっての天敵は、ズバリ「お酒」と「タバコ」。
お酒
うるおいがなくなる。
お酒を飲むとお酒の代謝のために体の水分が使われてます。そうすると脱水に傾いて粘膜のツヤや張りがなくなり、だんだん声が悪くなります。
アルコールを1とったらチェイサーを1とりましょう。
タバコ
太くなり声が低くなる。
慢性炎症を引き起こします。声帯がちょっとずつ太くなって声が低くなりガラガラ声に。
タバコを止めるとそれなりに戻るそうです。
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まとめ
のどの老化が40代から始まっているというのには驚きでしたね!普段むせやすい、薬が飲みづらいなどなんとなく思っていましたが、放っておくと病気にもつながるということで、今からできる対策はしておきたいと思いました。
のどトレは早ければ早いほど良さそうなので、皆さんもぜひ実践してみてくださいね
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